コエンザイムAとは

コエンザイムA(CoA)は、色々な酵素が体の中で働く上で、その助けとなる補酵素と呼ばれる成分で、約140種類の作用があります。
代表的な働きは以下のとおりです。

①脂肪、炭水化物、タンパク質がエネルギーになる為には、活性酢酸と呼ばれる成分にならなければなりません。この活性酢酸とはCoAに酢酸が結合したアセチルCoAと呼ばれる物質です。基礎代謝と呼ばれる体内でエネルギーを発生させるTCAサイクルはアセチルCoAのみに原料としますので、CoAが足りないと細胞が元気を出せないということになります。従って、CoAは元気の源ということになります。

②アセチルCoAは脂肪を燃焼させるだはなく、脂肪の合成にも関与しており、更には、脂肪から作られるプロスタグランジンというホルモンの生成にも関与しています。

③また、コレステロールもアセチルCoAを原料として作られ、更にはコレステロールを原料として作られるステロイドホルモンの生成にも関与しています。

④大豆等に含まれるコリンという物質をアセチル化し、神経伝達物質のアセチルコリンの生合成を助けます。

⑤TCAサイクルで出たエネルギーを蓄えるCoQ10の生合成にも関与しています。

⑥また、アセチル化という作用によりある種の薬剤の解毒作用も有します。

これらの作用があるので、アセチルCoAが体内に不足すると、エネルギー不足や各種臓器の作用が低下し、慢性的な疲れが表れます。
また、余分なCoAはパントテン酸に分解され、尿中に排泄されるので、CoAが多くて問題となることはありません。
人間は食事からCoAを摂取することは出来ませんので、その原料となるパントテン酸を多めに取ることが必要です。